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厳格的殺人鬼社会 前現来世編
 無常現世は、自宅のソファに座って、食後のワインを飲んでいた。食後とは言っても、これからのことを考えて程々にしておいた。クラッカーにチーズ、そして今飲んでいる少量のワインが今日唯一の食事だ。
 本当は何も食べずにいるつもりだったのだが、チーズが貰ったばかりだったのと、ワインがちょうど前世の自分の誕生日のものだったので、何かの符丁にも思えたため、こうやって最後の晩餐を一人で行っている。
 ワイングラスを空にして、二杯目を注ぐ。最後の晩餐とはいったが、自分はキリストの様な聖人ではないし、そもそも人ではなくて殺人鬼だ。そう思うと、自然と笑みがこぼれた。
 ワインの赤色を眺めつつ、現世は、自分の前世のことを思い出していた。前世では、今とは比べものにならないほどの人間を殺していた。その反動か、現世ではほとんど人を殺していない。おそらく殺した人数は十分の一かそこらといったところではないだろうか。来世では、また大量の人間を殺すことになるだろうが。
 人間でも、たまに前世の記憶を持ったまま生まれてくる場合があるという。殺人鬼ではよくあることだが、現世のように、地続きで前世の記憶から来世の記憶までを持っているのはさすがに珍しい例だろう。
 来世では、なにやら今とはずいぶん社会情勢が変わっているらしい。戦争も起こるらしい。生まれる場所は、また日本の様だ。殺人鬼が生まれ落ちるのは、先進国と決まっている。とはいえ、二度も続けて日本に生まれなくてもいいだろう。ヨーロッパやアメリカ、中国韓国でもいいのではないだろうか。寒いのは苦手だから、ロシアは願い下だが。
 二杯目のワインを空にして、三杯目を注ぐ。殺人鬼というのは、基本的には酒に酔うことはない。仮に酔ったとしても、それによって行動に影響が出たり、判断力が鈍ったりはしない。酔っていてもいなくても、殺人鬼がやることは変わらない。
 三杯目のワインを半分ほど飲んだところで、上等な葉巻を一本残していることを思い出した。貰い物で、普段は煙草は吸わないが、今日は最後の夜だ。吸ってしまった方がいいだろう。
 葉巻を探しだし、日を探して家をうろうろしていたところで、玄関のチャイムがなった。もう来たのか、とも思ったが、時計を見ると午後八時をすでに回っていた。定刻通りだったのか。
 現世は葉巻をあきらめると、玄関に向かった。そういえばワインも半分だ。まったく、現世の自分はずいぶんと中途半端だ。
 レンズから確認もせずに、玄関を開ける。ドアチェーンは普段からかけていない。
 開いた扉から、手が伸びてきた。握られているのは、銀色の鋼。それが、現世の右のわき腹に突き刺さった。血がにじみ、膝ががくりと折れる。
 無常現世は、今夜死ぬ。殺人鬼狩りによって殺され、現世での生を終える。
 現世が膝を折ったところで、扉が大きく開け放たれ、二人の人影が入ってくる。あっさり刺されて崩れ落ちた現世を、呆気にとられたような顔で見下ろしている。
 一人が、何か叫びながら現世の頭に金属バットを降り下ろした。現世はよけもせずにまともに食らった。頭が揺れる。降り下ろされた金属バットが、今度は真正面から顔をとらえた。現世はそのまま仰向けに倒れた。鼻血も流れてくる。歯も鼻も折れたか。
 そこから先は、ただ単に暴力が続いた。ナイフは繰り返し腹を刺し、金属バットが全身を殴打した。現世は抵抗しなかった。現世での記憶はここで終わっている。ならば、どんなことをしようとも、この日、この場で死ぬのだ。運命という物があるならば、そういうことだ。
 四肢が完全に動かなくなったところで、ナイフが首にあてがわれた。すぐに刃が皮膚を破って体の中に入ってくる。骨に当たったところで、刃が横に動く。動脈や気管が切断されていくのが分かる。血は噴水のようにあふれだしている。ナイフが抜かれたところで、傷口に向けてバットが降り下ろされた。よくそこまで残虐なことが思いつけるものだ。
 首の骨が折れる音が聞こえた気がするとともに、傷口からさらに血があふれてきた。
 そこでようやく、現世の意識が薄れてきた。しばしの間はお休みだ。次は何年後だろうか。分からないが、その時は確実に来る。それは間違いない。現世は極めて安らかな心地で目を閉じた。
 了
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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