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厳格的殺人鬼社会「殺人鬼兄妹」④
執筆時期:2006年頃
①はこちら
②はこちら
③はこちら
[READ MORE]からどうぞ。


「あなた……誰?」
 眞子は怪訝な視線と声を、今しがた現れた男に向けた。男はどこにでもいそうなアメカジスタイルのアイテムに身を包み、目元を大きなオレンジ色のサングラスで隠している。髪の色や肌の色からすると、日本人ではないだろう。年の頃は二十台前半といったところか。
「僕かい? そうだねえ、人間そのもの、とでもいったところかな」
「そう」
 眞子はふっ、と、力を抜く。そして男へ向け一息で跳躍。六メートル近い距離を一瞬で零にし、男の頭部へとトレイルマスターを振り下ろす。
「危ない」
 男は一言、そう呟いただけだった。だが次の瞬間には、眞子が振り下ろしたナイフは、横から割り込んだ別な男の頭を割っていた。
「君はまだ小さいけど、筋もいいし、何より、『慣れている』――殺人鬼のお手本みたいなモノだ。だが、殺人鬼程度なら――」
 男の手が、指揮者のように滑らかに動く。眞子の目には、男の手元に指揮棒があるかのように見えた。
「滅ぼせないこともない」
 その一声で、辺りにいた男達が一斉になだれ込んできた。
 ベストを着た男が眞子の腕を掴もうと手を伸ばす。瞬時にナイフが翻り、男の腕の肘から先が血泉とともに消失する。同時に三人の男が眞子の持つナイフへと殺到、一人が自分の腹へ自らナイフを突き立てる。武器を潰そうとしている、と眞子が悟る前に、もう二人の男が眞子の腕に組み付く。咄嗟に逆の手のナイフで男たちの頭部を狙うが、すでに背後にいた浮浪者風の男が眞子に体当たりし、ナイフを男の体内に置いたまま眞子の体が吹き飛ばされる。
「じゃあ、頑張ってね」
 オレンジサングラスがひらひらと手を振るのが見えた。背を向け、部屋から立ち去ろうとする。それを追おうと眞子が立ち上がった瞬間、人間の壁が立ちはだかる。
「邪魔するなあっ!」
 眞子は手に残るツゲを逆手に構え、オレンジサングラスへと向かう。人間障壁が崩落したかのように襲いかかってくる。ほぼ全方位、ほぼ同時。
 正面に立つ、浮浪者然とした男の手が眞子へと伸びる。眞子はかわしつつ脇腹を抉るように切り裂いて通過、背後からの血のしぶきを浴びる。前に進もうとしたところで、左側面から別な手が伸び、眞子の首へと突き出される。眞子はそれを体を沈みこませてかわし、そのまま進む。
 右から飛び掛ってきた男の首を真横に裂いて鮮血とともに散らす。
 後ろからカッターナイフで切りかかってきた男を金的を狙った馬蹴りで悶絶させる。
 正面から殴りかかってきた男の顔面を両断して横に突き飛ばす。
 死体を踏み台に飛び掛ってきた男の腹に拳を叩き込み、動きが止まったところで肝臓と腎臓を正確に三回刺す。
 男の姿が遠ざかる。
 逃がさない。
 立ちはだかる骨のようにやせこけた眼鏡の男の腹を蹴り、そのまま正面へ蹴り飛ばす。男は眼鏡を吹き飛ばしながら数人を巻き込んで床を転がる。背後から忍び寄ってきていた男へ肘打ちをお見舞いし鼻を潰す。
 僅かながら、男との距離が縮まる。
 いける、と心が告げる。
 眞子はさらに歩みを進め――――――。
「っ!?」
 否、バランスを崩してつんのめった。慌てて振り返ると、鼻を潰した男が、焦点の定まらぬ目のままで眞子の足首を掴んでいた。意識がはっきりしないことが逆に男の握力を強固にし、かなりの力で捕まれていた。眞子は即座に男の手へとナイフを突きたて、その締め付けを弱める。
 そして次の瞬間に絶望した。
 サッカーユニフォームを着た少年が、眞子の手の上から、ナイフを蹴飛ばしたのだ。
 ◇
「何か、あまりいい感じはしないな……」
 眞也は眞子のいるはずの学校――K工業高校へと足を進めていた。眞子の気配がひどく不安定で、揺らいでいるような感覚がある。
 殺人鬼というものは不滅だ。一固体であれば滅ぶようなこともあるだろうが、全体としては決して滅びるようなことはない。それゆえか、近親間――兄弟や親子の間では、互いの存在が共振する。
 眞也の腕がふるふると揺れる。以前この感覚があったのは、眞子が始めて人を殺したときだ。
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テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

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