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厳格的殺人鬼社会「殺人鬼兄妹」③
執筆時期:2006年頃
①はこちら
②はこちら
[READ MORE]からどうぞ


「ここ、かぁ……小さいな」
 眞子は早々に目的地に到着していた。兄である眞也と違い、眞子の地理感覚は鋭敏である。地図自体はいい加減だったが、眞子にとってみればたやすく辿りつける場所だった。
 眞子の前にあるのは、二階建ての廃校舎だった。近年合併により廃校となり、現在立入禁止となっている場所である。そこに最近たむろしている高校生の一団をどうにかして欲しい、というのが眞子に割り当てられた依頼だった。
 眞子は兄に渡された体格に合わないスポーツバッグを校門の脇に置く。その中からナイフが内側に仕込まれたジャケットを取り出し、それを着込む。続けて銃刀法も真っ青な大振りのナイフが収められたホルスターを取り出し、それを腰からぶら下げる。これで準備完了。
「さあ……行くよ!」
 眞子は校舎へ向け駆け出す。
「あああっ!」
 同時に、叫ぶ声と影。一瞬見えたのは、銀色の光。判断は一瞬、眞子はポケットからバタフライナイフを取り出し、刃を剥きながら一歩踏み込む。それに連動して腕が旋回し、銀光が影の左頚動脈を切断。一泊の間とともに生血が吹き溢れる。相手が絶命する前に、眞子はナイフを逆手に持ち変え、後頭部に刃を突き立てる。
 たっぷりと返り血を浴びた眞子は一言、
「汚いなぁ」
 とだけいうと、再び校舎に向けて走り出す。物足りなくなったのか、ホルスターから、眞子の体格に不釣合いな巨大なナイフを取り出した。刃の長さは二十センチを超えているし、柄も含めればゆうに三十センチを超えているだろう。
 向こうでも何人かが待ち受けていたと見えて、断続的に、石材や木材、空瓶が飛んでくる。眞子は止まることなく走り続け、飛んでくる凶器をかわしつづける。最後に、体当たりで窓を突き破る。
 同時に、鉄パイプが眞子の腹へ向け突きこまれる。眞子はそれを空中で回転して回避、着地しながら、鉄パイプを持った男の顔面を断ち割る。そこで眞子は、内部にいた人数の数をはじめて見た。――多すぎる。あまりにも、大勢過ぎる。たむろしている高校生、というレベルではない。これでは、百人単位だ。
 だが、眞子にとってはだからどうということも無い。榊眞子の内部の、圧倒的な殺人衝動。『それ』は、簡単には収まりそうにない――。
「イイイッホゥウウウウウ!」
 奇怪な叫び声とともに、左から学生服の高校生が飛び掛ってくる。手には鉄パイプ。学生服の下は赤いTシャツだ。眞子は左手に握られた大型ナイフ――トレイルマスターを振るう。高校生のほうには、眞子が振るったナイフは、高校生にとっては一筋の閃光にしか見えなかった。だが、その高校生の肉体は十七の肉片に分解されていた。
 それが皮切りとなった。周囲の人影が一斉に眞子へとなだれ込んでくる。眞子はトレイルマスターを正確に薙ぎ、突き、振り下ろす。その度に鮮血乱舞、四肢四散の惨状が広がり、拡がっていく。
「オラッ」
紺ブレザーの少年が角材を眞子に向け振り下ろす。瞬時にトレイルマスターが振りぬかれ、角材を真ん中から二つに両断。いかに炭素鋼のナイフとはいえ、恐ろしいほどの切れ味だった。ナイフが翻り、角材を持っていた少年の首に横一線の裂傷が刻まれ、そこから一気に鮮血が溢れだし、眞子の顔を朱で彩っていく。眞子は追い討ちのように少年の首に腕をかけ、一息に頚椎を折る。
その少年の体を蹴り飛ばし、前にいた数人を後ろへと吹き飛ばす。相手が怯んだのをみて、前進する。
 眞子の顔めがけての正拳突きが、下から串刺しになって止まった。そのまま刃が捻られ、腕を内部からずたずたに破壊。眞子がナイフを引き抜くと、血と一緒に骨の欠片や千切れた筋肉が床にこぼれる。
 眞子がバックステップで後ろに下がる。突き出されたナイフが、眞子の後ろでスリングショットを構えていたサラリーマン風の男の胸を突きぬいた。男の傷口と口から毒々しい赤が漏れる。眞子は右手のバタフライナイフを男のこめかみ辺りに突き刺した。
 眞子の正面に拳銃を構えた男が現れた。オートマチック、初弾はもう装填されている。眞子は今しがた殺した背後の男の腕を取り、背負い投げの要領で正面の男へ放り投げた。正面の男が慌てたように引き金を引くが、弾丸は眞子が放り投げた男に着弾するのみ。男が次弾を発射する寸前、トレイルマスターが拳銃を持った男の顔面を鼻から上下に断ち割った。
 バタフライナイフを失い、眞子は新たなナイフを抜いた。ツゲ・アタックサバイバル。左手に握られたツゲが弧を描いて左手側にいた男の膝を切り裂く。膝の骨が砕け、男の膝が反対に折れる。口内にツゲが突き込まれ、反対側から刀身が露出する。男の胴体を蹴飛ばして無理やりにナイフを引き抜くと、トレイルマスターで横手にいた男の心臓を一突き、左右心房を破壊する。
 机の上から飛び掛る手長のツナギの男。その拳が届く前に眞子が飛び上がり、男の胸にツゲを突き立て、そのまま上へと切り上げる。勢いのまま男を倒しつつ机の上に着地。
「この集団……高校生じゃ、ない、よね」
 ナイフを捻って完全に心臓を破壊、引き抜くと同時にだくだくと血が流れ出す。眞子が両手のナイフを構えなおすと、周囲の一団が引いた。眞子を取り囲むように、円になっているが、全員一定の距離から近づいてこない。
 そして、輪が裂けた間から、一人の男が姿を現した。
「やあ――榊眞子」
 ◇
「この家なら、あそこの山道を登っていけばそのうち見えてくるようげはあ」
「そうですか。ありがとうございます」
 道を聞くために入った交番の警官をナイフで刺し殺すと、眞也は交番を後にした。眞子と違って、地理感覚皆無の眞也は、こういった仕事の場合必ずといっていいほど道に迷う。今回は交番を使ったが、つい殺してしまった。自重しなくては、と思う。
「……参ったな……これじゃ、眞子のほうが早く終わりそうだ」
 自分のほうが先に終わらせて、眞子を待つつもりだったのだが、これでは眞子が自分を待つことになりそうだ。それだと、その待っている間のことが心配になる。立派なシスコンだ。
「おい」
 後ろから声。反射的にバタフライナイフの刃を剥きながら振り向く。そこには、フルフェイスのヘルメット被った男が立っていた。街中で。
「榊眞也だな」
「そうだけど、何?」
「ボスの指示で、殺しに来た」
「…………いいだろう」
 同時に、二人は駆け出した。
 二人は路地裏へと足を運ぶ。
 先に仕掛けたのは眞也。袖に仕込んでいたフォールディングナイフを片手で――サムホールと呼ばれる開閉穴に指をかけ――開くと、フルフェイスの頸部を狙う。ナイフが小型なので、狙える場所は自然と、急所に限定されてくる。
 相手もそれくらいは読んでいたのか、ヘルメットをぶつけてナイフを止めると、放たれた矢のような蹴りを繰り出す。眞也も冷静にそれを手の甲で受け、流し、空いている左手で殴りかかる。相手の足にヒット、しかし相手はその程度でダメージを受けるほど軟弱ではないらしく、ものともせずに、両手を組み、眞也の頭頂部へと振り下ろす。眞也はナイフを掲げて腕に突き刺し、素手のハンマーを止める。
 フルフェイスはそれを狙っていたかのごとく、手に突き刺さったナイフを眞也の手ごと握り締め、関節技に移行する。
 だが、眞也はそれ以上に狡猾だった。腕が捻られる直前、突き刺したナイフを捻り、さらに、シャツの裏に仕込んでいたナイフの位置を、微妙に――暴れれば、シャツを突き破って冷たい刀身が露出するように――変えた。
 腕が捻られ、男の体が密着する。同時に、背中が濡れていく感触。
 後ろ目で確認すると、男の腹に、ナイフの刀身が突き刺さり、液状のルビーを吸い出していた。眞也は肘鉄でナイフをさらに押し込む。今度は、ナイフが肉を割って進んでいく感触が直に伝わってきた。男が眞也に抱きついて押さえ込もうとする。しかし『殺人』という行為の前では眞也のほうが上だった。男の腕に刺しっぱなしのフォールディングナイフを指に挟んで引き抜くと、ヘルメットとの隙間を狙い深く喉へと突き込む。突き込んだ衝撃でナイフが欠けた。もう使い物にならないと判断し、刃を力一杯捻る。肉がねじ切れる感触とともに、生温い血がナイフを濡らし始めた。
 眞也はナイフはもう駄目だと判断し、首に刺したまま男を路地の地面に倒す。しゃがみ込んでヘルメットを外す。目を見開いたままの男の死に顔があった。
「この辺の高校の制服か……。K工業高校、だっけか?」
 眞也は男の衣服を漁り始めた。自分を誰かが狙っているというなら――その相手を探し出す必要がある。眞子の敵は自分の敵であり、自分の敵は眞子の敵でもある。眞子に降りかかる障害は、皆全て殺してやりたい。
 やがて、男の服の内ポケットから、麻薬と思しき白い粉と、眞也と眞子の人相写真、そしてこの周囲の地図が出てきた。男は眞也以上に地理勘がないらしく、今いる場所から帰る場所までの経路がマジックで書いてあった。マジックをたどった先にあるのはもう一つの高校。
「眞子のところか……」
 それとなく、嫌な予感がする。体毛が静電気で逆立つような感覚。考えているうちに路地裏へと人が来る気配を感じ取り、眞也はその場を後にした。足は、自然と眞子のいる学校へと向かっていた。
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