FC2ブログ
プロフィール

少色

Author:少色
     syousiki
     

一応アドレス
sanzikaro☆
mail.goo.ne.jp

☆を@に変えて、上下を連結のこと。

Twitter始めました

ブログを更新するのが面倒だから

こうしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

しょーしきのしょーじきしんどい。
少色適当なことを適当に書きます。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

厳格的殺人鬼社会「吸血鬼食」⑤+あとがきという名のいいわけ
執筆時期:2007年ごろ。
これでラストです。後半のあとがきらしきものに関しては見たくない人は無視してください。
その①
その②
その③
その④


「動くな!」
 男は叫ぶと同時、常世へと発砲した。しかし、常世は一歩、壁へと身を貼り付けて弾丸を回避、さらに壁を蹴った反動を利用し、男の喉へとナイフを突きこむ。男が寸前でかわすも、隣に居た男の額を一閃で割り、もう一人の胸をベレッタで撃つ撃つ撃つ。指揮官級の男が、残った三人に指示を出すが、常世のほうが早い、二人の首を一振りで切り回し、頸部から噴血。指揮官が常世に背を向けたところを、背を骨にそって縦に切り伏せる。そのままの流れで、残りの二人を肉の塊に変えた。
 ◇
 常世は自らの周りの七つの死体を見下ろしていた。六つが銃を持った男。一つはDIVA。DIVAが自分を庇って死んだ。そして、DIVAを殺した六人を自分が殺した。
「……どうして」
 常世はがくんと膝を折った。手の中のベレッタと短剣を取り落とした。
 DIVAの足元に、撃たれた足を引きずりながら寄っていく。
「どうして、君が死ななきゃいけないんだ?」
 酸鼻に引き裂かれ、血と血が溢れ、肉と肉が弾け、骨と骨が砕け、見る影も無いほど真っ赤に染まった雪白の肌。滑らかな肢体。
「どうして……」
 常世はDIVAの顔を覗き込んだ。血塗れの頬は僅かに笑っているように見えた。
 くちゅ、と、常世の手がこぼれたDIVAの腸に触れた。赤茶色のそれは、まだ湯気をあげて光っていた。
 そこからは、手がそぞろに動いていた。常世の手はDIVAの腸を掴み、自然に、口へと運んでいく。腸を一口、噛み締める。予想外の弾力だったが、構うことなく二口目を噛み締める。だんだんとペースを上げ、次々と頬張っていく。
 腸を食し終え、続けて胃へ、食道へ、肺へ。心臓を残して喰らい尽くすと、四肢と骨格に移る。骨を噛み砕き骨髄まですすると、さすがに常世の顎の骨が砕けた。それを構わず、胃に詰め込んでいく。
 ほとんどを食べ終えたと思ったところで、世界に音が帰ってきた。通路の先から、複数の気配が近づいてくる。数のほどはわからないが、十数人といった数ではないだろう、かなりの大人数だ。
 だが、常世は黙殺して食べ続ける。肉を食み、骨を砕き、吐き気を催しながらも食べ続けた。
 気配が近づいてくる。おそらくはここの看守の生き残りだろう。囚人はあらかた殺しつくし、残党狩りに来たのか、それとも逆に囚人たちに追い詰められ逃げてきたのか。
 向こうの気配も。常世に気づいたようで、部屋に向かって足を速めてくる。だが常世にとってはそんな些事に構って入られない。そのまま食べ続ける。
 気配の群れは部屋に押し入ると同時にカラシニコフの弾丸をばら撒いてきた。『食事』を続けていた常世はまともに背に弾丸の雨を受ける。体ごと吹っ飛ばされそうな衝撃が襲うが、DIVAを守るために、一歩もそこから動かなかった。
 銃撃が終わったあとも、常世は生きていた。弾丸がめり込んだ背中が蠢いているのがわかる。背中からぽろぽろと弾丸が排出されているらしい。五秒くらいで、背中は蠢くのをやめ、銃撃の痛みも引いていった。闖入者たちが声を失って立ち尽くしているのが、見なくても気配でわかる。
 常世は立ち上がる。口からは自然と笑いが漏れた。そして、ゆっくりと、闖入者たちに振り向く。手に、DIVAの心臓を持ったまま。振り向いた先には、カラシニコフを持った男達が数十人控えていた。常世の手の中の心臓があるのを見て、全員に動揺が広がっていく。男達を見ながら、常世は心臓にかじりついた。一口、二口と食べ進めるうちに、男達の中には、床に膝をついて反吐を吐くものもいた。そうでなくても、全ての人間が、まるで凍りついたかのように動かなくなっていた。
 全て食べ終えると、常世は笑い出した。
 止まることない高笑い。腹から溢れる哄笑。砕けた顎ががくがくと揺れる。男達の間の抜けた顔を見ながら、たっぷりと、辺りが冷え込んでいきそうなほどに笑う。
「と、と、止まれ貴様!」
 男の一人が常世に銃を向けた刹那、常世は動いていた。
 先頭の男の頭部に飛びつき、体重をかけて一回転。首を破壊する。そのままの流れで銃身を引っつかみ、右隣の男の頭部を粉砕、脳髄と血と骨とともに振り抜ける。左隣の男へは股間に銃底を打ちつけて悶絶させる。
 そこでようやく看守たちが反応、常世へと銃を向ける。しかし、銃撃が遅すぎた、常世は右手の指を真ん中に居た男に突きこみ、眼球を押しつぶす。指が折れるのも構わず押し込み、人差し指と中指の第二関節辺りで相手が意識をなくして倒れた。男の腹にあったナイフを奪いとると、一閃、二閃、三閃で両隣の男の頸部を切り裂き、床を生血で染める。血霧の向こうから飛来するカラシニコフの弾丸。とっさに身を伏せるも間に合わず、弾丸はナイフを粉砕しつつ常世の口内を破壊、口腔に血の味が満ち満ちる。折れたナイフで弾が来た方向へ切りつける。手にはナイフの刀身ほぼ全てが肉に埋め込まれた感覚。
 後ろから銃底で殴られ、脳に衝撃が走る。常世はそれに裏拳で対応、手の甲に血の暖かさと骨を砕いた感触。流れの動作で倒れこみながら、腕を掴まえて折る。手は当然延長線上の首へも伸びる。首を両手で一回転させる。合わせて男のが白目をむいた。
 さすがに、看守達も怖気づいたのか、常世が倒れこんだのを好機と見たか、場にいる全員が一斉にカラシニコフを乱射してくる。銃弾の雨が次々と常世の体をあちこち削り取り、抉り、散らし、砕いていく。
 もっと、撃って来い。
 DIVAの苦しみが、身に刻まれるように。自分が、死ぬように。
 弾丸の雨が一瞬弱まった。弾切れを起こしたものがいるのだ。常世はそう悟るが早いか、残る肉人形達へ向け駆けた。

◆       ◆

「おいおい――人がいねえぜ?」
 岸射はあらかじめ確保していた逃走経路を駆けていた。いかに看守を回避するを最上の課題とし、そのために最適なルートと時間を割り出していたとは言え、百人単位でいたはずの看守が一人もいないのは不自然だった。無論、好都合なことではあるが――計算を超えた結果が出ていることは、おかしい。
 角を曲がったところに、人影が見えた。一瞬ライフルを構えかけるが、それが常世だということに気づき、ライフルを下ろす。近くまで寄ってみると、常世は全身血塗れで、衣服が千切れているところもあった。
「おい――なんだお前、そのカッコ。DIVAってのはどこだ?」
 岸射の言葉が聞こえているかいないのか、常世は虚ろな目で虚空を睨むのみで、答えようとしない。
「おい! 聞いてるか!?」
 岸射は常世の肩を揺らした。そこで初めて岸射の存在に気づいたのか、ゆっくりと、瞳を岸射に向ける。
「ああ……お前か」
 常世の目に生気が戻ってくる。そこには何もなかった。狂気も喜悦も悲哀も無かった。ただ、殺意のみがあった。
「DIVAなら――」
 常世は自分の腹を指した。
「ここだよ」
 まるで無感情に言い放つ。
「お前――」
 岸射は言葉を失う。目の前の男がいうことを理解するのに、数瞬を要した。直後にその光景が浮かんできた。
「――喰ったのか?」
「ああ」
 常世はあくまで冷静だった。周囲の気温が冷え込んでいくような、あるいは熱気で焦げ付いていきそうな気配が漂う。
「これで、DIVAはどこにも行かない」
 岸射はDIVAが殺されたのだと悟った。そしてもう一つ――さっき常世の瞳に感じたのは、殺意ではない。
「どいてくれ。帰らせてもらう」
「……ああ」
 岸射は身をよけて、常世を通した。
 ――――殺意などではなく、ただ、無形の『死』であると。
 常世はそのままふらふらと、外界の闇へと溶け込んでいった。
 岸射は追う気になれなかった。
                        吸血鬼食――了





◆       ◆
あとがきという名のいいわけ

 もし貴方がこの小説を読み終わって、何か感じるものがあったとしたら、それはとりあえず気持ち悪さというか後味の悪さだと思うのですが、それでもある程度のカタルシスは感じてもらえたのではないでしょうか。この小説はただ単に、吸血鬼が殺されて、食われてそして終わりという小説ではありません。一応吸血鬼には小説世界においての『役割』があり、また私にも小説で書こうと思ったことがあり、そのために吸血鬼に与えられた役割がああいった結末であったわけであり、結末は必然であったといえます。ただ残虐であるとか気持ち悪いとか、そういった程度の低い理解をするのではなく、表現の一種としてそういう方法を選択しているのだということを理解してもらえばいいと思います。
 さて、この小説は世界観を『殺人鬼兄妹』と同じくする、いわゆる物語消費論の形態を取っています。あちらもあちらで中々アレな内容ではありますが、殺人鬼兄妹もこのあとがきと同様の理念の下かかれているため、描写は中々アレです。ですがそれが表現の一形態であり、そこらへんの携帯小説に負けないような書き方をしようと思ったらどうしてもああいった結果になってしまいました。ひょっとしたら、別な表現方法もあったのかもしれません。ですが私は、ああいった表現の方法を選択しました。それが私の書こうと思ったことを表す上で一番適していると考えてああいった描写をしたということです。
 では、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
 感想なんぞを貰えると喜びます。
 機会があれば別な作品でお会いしましょう。
 少色
スポンサーサイト

テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://syousiki.blog53.fc2.com/tb.php/919-1d28a597
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。