FC2ブログ
プロフィール

少色

Author:少色
     syousiki
     

一応アドレス
sanzikaro☆
mail.goo.ne.jp

☆を@に変えて、上下を連結のこと。

Twitter始めました

ブログを更新するのが面倒だから

こうしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

しょーしきのしょーじきしんどい。
少色適当なことを適当に書きます。
おかわり?
フォルダの整理をしていたら少し前vipのなんかのスレで書いた奴が出てきたのですごく久しぶりに小説を載せてみる。

読む人は追記をどぞ。
ちなみになにか内容に沿った画像がないかと探したが何もなかった。



「おかわり頂戴」
 夕食の席で、佳奈がいつものように俺に催促してきた。へいへい、と俺はため息とともに立ち上がり、茶碗にご飯を盛り付け、佳奈に手渡す。
「ねえ、コレ少なくない? さっきの三分の一くらい」
「いや、普通だし。喰いすぎ喰いすぎ。いぜれ悔いるぞ。お前俺の家の家計圧迫しすぎ」
 家計、という言葉を聞くと、佳奈はうー、と唸りながら、四杯目のご飯を食べ始める。なんだってこいつはこんなに食欲があるんだ。いや、自分の作ったものを喜んで食べてもらえるのはありがたいが、こうも食い尽くされてしまうと、なにかもっといいものを食わせてやれないもんか、と思ったりしてしまう。
「ごちそうさま」
「ん、おそまつさま」
 食うのはええよ。つうかそもそも味分かって食べてんのか怪しいもんだ。
 ポットのお湯でお茶を淹れて佳奈にだして、俺は食器を片付け始めた。食器は二人分だというのに、何故俺は毎回料理を五人前は作らなければいけないのだろうか。
「手伝うー?」
 と、後ろから佳奈の声がかかる。
「お前とやると時間かかる」
 と、俺は答える。
 佳奈はあっそう、と鼻を鳴らすと、ゆっくりとお茶をすすり始めた。俺は肩をすくめて、腕まくりをしてからスポンジを手に取った。
 ◆       ◆
 俺の幼馴染である佳奈の家は、個人経営の商店を経営していた。田舎の小学校とか中学校の近くにあるような、駄菓子屋が文房具とか日用品を売っているような店で、俺を含め、この地域のがきどもは佳奈の店で育ったといっても過言ではない。
 そんな店が、火事で燃えたのが一ヶ月前、その黒煙は学校からも見ることができて、部活の最中だったサッカー部がキャンプファイヤーのときの歌うあの歌――俺はもう名前も聞くのも嫌なあの歌――を大声歌って笑っていたが、場所を知ると、笑顔が一気に引きつっていったのを覚えている。
 家にあった家財道具やら資材資産も皆焼けてしまったので、家族一同で親戚のところに行くことにした、と佳奈が火事の二日後に伝えに聞いた。親戚は同じ市内にいるらしく、転校は免れたが、それでも、俺の家からは大きく遠ざかった。
 それ以後、佳奈が夕食時にふらりと現れ、俺の家で夕飯をかっくらい、テレビを見たり、あるいは勉強なぞしてから、ふらりと家に帰っていくのが日常になった。
 様子がおかしかったことも何度かある。
 茶碗を置くのも箸を置くのも音を立て、みそ汁まで音を立ててずぞぞとすすった時は、いくら俺でも佳奈が相当いらだっているのが分かった。理由を聞くと、親と喧嘩したとのことだったが、その理由が、もう少し夕食を皆と一緒に摂れ、とのことらしかった。
「だって、どう考えてもユータが作ってくれるほうが美味しいし。あの家、わたしの好みってもんがまったく分かってない」
 本人談ではそういうことらしかった。
 またその逆で、相当落ち込んでいるときもあった。学校で模試の結果が帰ってきたときは、それこそ明日世界が終わってしまうのではと思われるほどの落ち込みようで、目の前に出された大嫌いなはずの牛乳も気づかずに飲んだ。そのことを指摘しても、怒るどころか深く息をついてうつむいてしまうくらいだから、ただ事ではなかったのは間違いない。
「ユータと同じとこ、行けないかも」
 帰り際にそういって帰っていったが、次の日から、俺の家に来るときは、勉強道具を持ってくるようになっていた。
 ◆       ◆
「ユータ」
「ん?」
 お茶を飲み終わったらしい佳奈が、湯飲みを流しに持ってきて、俺の隣に立った。俺は湯飲みを受け取り、残っていたお茶を捨てて、いまやすっかり佳奈専用になった湯飲みを洗う。
「こないだの模試なんだけど」
「どうだった?」
「判定B」
 湯飲みを洗い終え、水を止める。台所の脇にかけてあるタオルで手を拭く。
「……やったじゃん」
「うん」
 佳奈は、頷くと、口をもごもごさせながら、俺の顔を見てきた。なんか歯にひっかかったってか?
「わたしたち、さ」
「うん」
「ずっと、一緒だよね?」
「ああ」
 だから。
「離れ離れになんか、なるわけないだろ」
 だから俺は。
「そっか」そういって、佳奈は笑った。
「ずっと一緒にいよう、ユータ」
「……当たり前だろ」
 そういって、俺は佳奈にキスをした。
 唇を離しても、佳奈はまだ目を見開いていたが、顔を真っ赤にしながら微笑むと、俺に告げた。
「ユータ、おかわり、頂戴」
 あとは、俺が放火したのがばれないのを祈るばかりだ。
                                                        おかわり?――了
スポンサーサイト



テーマ:⊂⌒~⊃。Д。)⊃アウアウアー - ジャンル:日記

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://syousiki.blog53.fc2.com/tb.php/882-8bb0952a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)