FC2ブログ
プロフィール

少色

Author:少色
     syousiki
     

一応アドレス
sanzikaro☆
mail.goo.ne.jp

☆を@に変えて、上下を連結のこと。

Twitter始めました

ブログを更新するのが面倒だから

こうしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

しょーしきのしょーじきしんどい。
少色適当なことを適当に書きます。
M&B(肉と賭け)第二話『会肉(ミート』②
プロローグ 第一話 第二話①



 日も暮れ星も月も出た頃、菜摘は家を出た。場所は昨日と同じファミレス、待ち合わせの時間は八時。菜摘は制服、相手はグレーのスーツとのことだった。もし今日の相手がダメなら、明日辺りに庵に頼んでみよう。それだけで学校に行くというのも、あれだが、まあ、快適な食生活のためには仕方ない。

 天の星々は異様に光り輝き、月明かりとも星明りとも判然としない。約束していた相手は来るだろうか。昨日のこともあるので、時間に少しだけ遅れるように家をでた。もし相手が怒っていたら、そこは女の特権、体調不良でなんとか押し切ろう。……自分に、女の魅力なんて皆無かもしれないが。

 角を折れるとファミレスが見えてきた。グレーのスーツを着た男は、まだ姿が見えない。

 ただ、その代わりに、山極庵が、昨日と同じ場所に座り込んでいた。

「こんばんは」
「……こんばんは。どうしているの?」
「いや。また明日って言われたからな、そっちが学校来ないし」

 それは言葉の綾というもので――と、言い返しつつも、内心は嬉しかった。

 もう、今日の相手は来なくていい。きたとしても、追い返してしまえ。庵がいる。庵が、食べれるなら、他の男は今要らない。

 菜摘は庵の隣に座った。距離は、昨日より少し、近かった。

「昨日も聞こうと思ったけどさ、誰か待ってんの? しかも制服だし」
「まあ……そんなとこ。正直、期待してないけど」

 期待していたものより大きな獲物が釣れた。海老で鯨が釣れてしまった。

「庵くんこそ、どうしているの? わたしがここに来るって知ってたの?」
「知ってたっちゃあ知ってた――それに、聞きたいことがあってな」

 柄にも泣く、思わず、胸が高鳴る。できるだけ、平静を装いつつ、聞き返す。

「食べてくれ、とか?」
「は?」
「ごめんなんでもない」

 盛大に自爆した。

 庵のほうも、お前は何を言っているんだ、っていう顔をしている。いいから気にしないで。

「いやまあ、大したこと聞くわけじゃねーけどさ」

 庵が、照れ隠しっぽく頭をかき

「人を食うって、どんな感じだ?」

 爆撃を受けた。

 何で知ってる、何でそれを今聞く、少しは空気を読め、食い殺すぞ、と次々と湧き出る罵倒の言葉を抑えに抑え、可能な限り動揺を悟られないように、庵に問う。

「なんの話? 人の肉を食べる? 別に美味しくないし、人によって味も違うから、味付けしだいなだけよ?」

 動揺を隠すどころか余計なことを言った。もはや玉砕だった。督戦隊を呼べ!

「いや、ごまかせてないからそれ。ほら、コレ見たんだよ」

 そういって、庵はケータイをこちらに押し付けてきた。映っていたのは、菜摘が常駐している掲示板。そうかそうか、ここの書き込みを見れば、菜摘が今日ここに来ることは分かるし、菜摘が、食べる人間を募集していこともわかる。うわあ死ぬほど恥ずかしい。顔の血液集まっていくのがはっきり分かる。

「んで? どうなんだ、人の肉を食うって。どんな感じ?」
「どんな感じっていわれても……食べる相手がね、とっても愛おしくなるの。食べる相手が、好きになっちゃうの」
「食べちゃいたいくらい好き、みたいな感じか」
「そうじゃないの。最初に、食べたいと思うの。おいしそうな人が。それで、食べようとしてる相手が、好きになっちゃうの。でも、食べるからすぐしんじゃうの。……庵くんも、おいしそう」
「そりゃ光栄だな。ただ、それだと恋愛も結婚も無理っぽいな」
「不死身の人を探すもの」

 深く傷ついたぞ今のは。

「人を食べるってことは、食べる相手が、自分の一部になるの。自分のものにしたいの。何もかも自分と一緒になりたいの。分かってくれる?」
「分かった分かった、なるほど。大体分かった。それじゃあついでに忠告しておくけど、今日お前のところに来る相手、会わないほうがいいぜ」
「どうして?」

 会わないほうがいいどころか、もう会いたくない。今日、庵を、食べたい。

「どうしてって、お前少しは疑えよ、怪しいだろどう考えても。俺がざっと調べたら、あの書き込みしてた奴――」

 そこまでいって、庵は言葉を止めた。庵の前に、男が一人立った。

 男は、庵に向かって怒鳴ると、背後に隠していた角材を、庵の頭に向け振り下ろした。

 そしてすぐに、菜摘の目も塞がれた。
スポンサーサイト



テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://syousiki.blog53.fc2.com/tb.php/768-5c4bdaa3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)