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しょーしきのしょーじきしんどい。
少色適当なことを適当に書きます。
M&B(肉と賭け)プロローグ
どこかで見たことのある表示形式だけと気にしないでね! 気にしないでね!
続きは[READ MORE}からどうぞ



時刻はすでに六時半を回っていた。

 四階建てのビルの一室で、四人が一つの卓を囲んでいた。卓には緑のラシャが張られ、小さな牌が並んでいる。卓の端には、サイコロが二つ。

 四人は麻雀をしていた。時間が少々早いとはいえ、まだまだおかしな位ではない。異様なのは、その面子だった。

 一人はパンチパーマに開襟シャツ。もう一人は、オールバックに派手派手しい色の柄シャツ。三人目は丸坊主にサングラス。この三人だけでも、場の空気のよどみ具合がしれようというものだが、この空気をさらに混沌とさせているのが、四人目の、どうみても十代の少年である。近隣高校の制服を着ているところからみても、少年が間違いなく十代であると分かる。

 それだけでも十分異常なこの場であるが、さらにおかしいことに、この少年は、職業明らかな周りの三人の男相手に圧勝していた。年齢や職業的に見て、どう考えても少年より周りの男達のほうが上手であるはずだが、しかしこの少年は一度も振り込むことなくこの半荘を終えようとしていた。全体を通してみても、半荘勝負を三回も行っているにも関わらず、少年は満貫以上の手には一切振り込んでいない。
 そしてさらに、少年の手は進む。

「ポン」 

 少年が動いた。パンチパーマから白を鳴き、打五索。男達がにわかに緊張する。この捨て牌からするに、聴牌の気配が濃厚。オールバック、丸坊主はそれぞれ現物の一箇と三萬を切る。これ以上損失を出すわけにはいかないのだ。パンチパーマも少しの間考えつつ、打六萬。少年の手がおそらく索子のホンイツだとの読み。

 少年の巡目、男たちの目が少年のツモに注目する。いくら振り込まなくても、ツモられたら意味がなくなってしまう。

「……カン」

 少年は先ほど鳴いた白を加カン。四つの白をまとめると、リンシャンツモへ。

「ツモ。リンシャン、白、ホンイツ」

 少年はツモった牌をたたきつけるように置き、牌を倒す。これでオールバックがトビ、少年の得点は七万点を越え、完全に圧倒した。男たちが苦々しげな顔で金を数え、少年に渡す。少年も、それを慣れた手つきで数えると、その中から三十三万円を抜き、卓に置いて立ち上がった。

「じゃ、これが借金と場代な。またヨロシク」

 少年は制服の内ポケットからタバコを取り出し、火をつけた。一度大きく煙を吸い込むと、軽い足取りで部屋を後にした。

 少年がビルから出ると、外には少年の仲間だ三人ほど待ち構えていた。おそらく少年の勝ちを期待して待機していたようで、目を輝かせながら、少年の動向を見つめている。

 少年は呆れつつ、ポケットに手を入れ、勝ち金の諭吉を三枚宙に放った。三人はすばらしい反射速度でそれを掴むと、その場で小躍りして喜びを表現し始めた。阿呆三人組に顔をしかめつつ、少年はその中の一人、今回の話を持ってきた石田に声かけた。

「あほかお前ら……ちゃんと伝えとけよ、借金はきっちりなくなったって。じゃねーと俺が馬鹿みたいだからよ」
「おっけーだよおっけーだよ、できればもっと金くれ」
「働け」

 少年は簡単に用件を確認すると、別なポケットからサイコロを取り出し、おもむろにそれを振った。サイコロはコンクリートの地面で何度か跳ねてとまった。目は四。少年のなかでこういうときの四の目は、誰とも一緒にならず、一人で帰ることになっていた。少年はサイコロをポケットに戻すと、まだ小躍りしている仲間を置いて、その場を後にした。

 少年は名を山極庵といった。親がいうには「何かと危ない苗字だから」という理由で、なるべく平穏な名前をつけられたらしいのだが、そのせいで女に間違えられたり、某格ゲーキャラみたいな服装を強要されたり、何かと平和でない人生を送ってきたせいで、どうも博打の方面に関する才能に目覚めてしまった。それ故何かと仲間内での賭け事に駆り出され、すっかりそういった方面に通じるようになってしまった。以前も、額に真一文字の傷をつけた男に絡まれ、「うちの組に来いや」と誘われたこともあるが、「勝ちすぎると恨まれるんで、辞めときます」と丁重に断った。

 山極庵とはそういう人間だった。
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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